金縛りで起こった不思議な体験

 

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 突然ですが、みなさんは金縛りにあったことはありますか?

 夜中に目が覚めて体を動かせなくなるあの体験。私も何回か金縛りにあったことがありますが本当に怖いですよね。金縛りは、『睡眠麻痺』という睡眠障害の一種と言われていますが、実際に起こると心霊現象かと疑ってしまいます。さて、今回はそんな金縛りを題材にした愛犬のお話です。ここからは少し暗いお話になるのでご注意ください。

 不思議な体験をしたのは、愛犬を亡くした次の日のことでした。私は悲しみのあまり愛犬の傍から離れることができず、ずっと隣に寄り添っていました。その日は久しぶりの快晴で、空の青さがとても眩しかったのを覚えています。まるで眠っているかのような綺麗な愛犬を見ているうちに睡魔が襲ってきて、私は愛犬の手を握ったまま眠りにつきました。

 気付くと私は天井を見上げていました。『あれ?いつ目が覚めたんだろう』そんな不思議な感覚でした。ふと隣にいる愛犬の方を向いたとき、左足のすねの部分に少し重みを感じました。まるで愛犬が足の上に座っているかのような感覚で、私はすぐに愛犬が会いに来たのだと思いました。喜んだのも束の間、軽かった重みはどんどん重量を増していき、床に沈んでしまうのではないかというほどの強い重圧がかかってきました。私は慌てて動こうとしましたがまったく動けず、そこで自分は金縛りにあっていることを理解しました。重さは勢いを増し、私の視線は愛犬から離れることはできませんでした。どうにかしようともがいていると、廊下から女の子の声が聞こえてきました。すごく可愛い声でとっても楽しそうに遊んでいるみたいでした。その声に飲み込まれるかのように、いつの間にか私は再び眠りについていました。

 再び目を覚ました時、静かに横たわっている愛犬が目に入りました。触ってもピクリともしませんでした。ただぼーっと天井を眺めているときに、ふと金縛りにあったことを思い出しました。

「あれ、私さっき金縛りにあったよね!?」

「あの声は何だったの!?」

私は飛び起きて、恐る恐る廊下に続くドアを開きました。そこに女の子はいませんでした。あったのは空の段ボールだけ。以前思うように歩けなくなった愛犬を空の段ボールに乗せて電車ごっこしたのを思い出しました。もしかしてアレ意外にも楽しかったのかなと思い、その場で少し微笑んでしまいました。部屋に戻ると愛犬の頭上にはさっき眺めていた写真が置かれ、その一番上には幼い私と愛犬のツーショットがありました。誰からも遮られることなくずっと一緒にいられたあの時期が、愛犬にとっては一番幸せだったのかもしれません。 

 金縛りは睡眠障害の一種だと言えばそれまでですが、私は希望を持ちたいので愛犬が会いに来てくれたと信じます。

 今回のお話はいかがだったでしょうか?今後は自分の日常をゆる~く投稿していくのでよかったら見てください。 最後まで読んでいただきありがとうございました!